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技術者ではなく経営者の視点にたったアドバイス。

 

仕様書がなければ何もできないSE

どんなに優れたプログラムやSEでも、経営者の視点で発想することは難しいものです。

プログラマやSEはまず仕様書どおりに間違いのないシステムを作り上げることが一番の評価になるからです。

したがって仕様書どおりにすぐれたシステムを組む能力はあっても、優れた仕様書そのものを作成できるスキルを持ったSEは本当に数少ないのです。

会社経営の立場で業務のIT化を計る場合、本当に大切なことはどのようなシステムを組むかというよりまずどのような仕様であるべきか、更にそもそもこの会社にとってどこが非効率なのか、あるいはどうすれば更に良くなるのか、あるいは全く新しい視点で新しいプロジェクトを考えて見るといった視点が最も大事なのです。

戦術より戦略が先に正しく起案されなければ戦いに勝つことはできません。

 

無能な質問「ご予算は?」 

このような相談をする場合、よく最初に「ご予算は?」という質問をされます。

たしかにコンサルタントの立場では予算がわからなければ具体的な提案は出来ないのですが、依頼する経営者の立場では、予算も含めたトータルとしてのアドバイスでなければ意味がありません。

 

私は自分が経営者ですから、「ご予算は?」という質問がいかにばかばかしいかを実感として持っています。

例えばネットションピングを始めようと考えた時、「これくらい予算で何ができるだろ」では無く、「こういった事をするにはどれくらい予算が必要だろう」というのが経営者の思考の順番です。

経営者でなくても経営者的なセンスのあるビジネスマンなら必ずこの順序で考えるはずです。

あるいは、「これぐらいの予算であればこうしたシステムが可能です」というように予算別に複数のシステム案が提示されて始めて実質的な検討に入れるのです。

 

経営者は実効性とリスクを計りにかけて最適予算を考える

経営者は、その提案されたシステムの実効性やリスクにより、投入する最適予算を考えるのが普通です。

経営者とって、全ての新プロジェクトは投資です。

最も重要な要点は二つです。

リターンとリスク

大きなリターンがかなりの確率で期待できる場合、多少のリスクは負っても良いかなと考えるのが行動的な経営者です。

私もそうです。

最小のリスクで最大のリターンを得る。

これは世界の経営者の共通の行動原理です。

 

経営者は総論的な良い発想は豊富にもっている。

 

一般に経営者は、総論的なビジネスセンスは良い人が多いです。

というかそうでなければ会社経営はなりたちません。

しかし、インターネットというやっかいな怪物の出現で、従来型の優れた経営者がその能力を十分に発揮できない状況が出現してきました。

この怪物を飼いならす事のできる者がビジネスで大きな成功を得ます。

 

残念なことにコンピュータに詳しいのは「オタク」が多い

 

コンピュータに詳しい人間はそれなりにいます。

特にインターネットは現代の若者は自在に使いこなしているように見えます。

しかし、彼等の中で経営的な立場で戦力になるものはわずかです。

「オタク」は対象が自分に関心のある事であれば知識は深く、それなりに力はあるのですが、一旦自分に関心のない分野となると途端に戦力にならないからです。

またオタクとまではいかなくても、仕様書があればそれなりのシステムを組むことのできる者も少なくありません。

しかし彼等も経営者の意図を汲んで同じ目線での発想や提案ができる者は本当に少ないのです。

現在はまだIT自体が未熟な時代ですから、ちょっとコンピュータに詳しいといった程度のオタク的な人がトピックス的に成功する例もありますが、これはあくまで過渡的な現象でやがて従来の経営センスと新技術の理解を兼ねたバランスの良い人や組織が台頭していくことは間違いありません。

 

経営者の発想を具体的なシステムとして提案するのがITコンサルタントの真の仕事

 

総論的なアイディアをいかにコンピュータを利用した具体的なモデルに仕上げるかがこれからのIT技術者、コンサルタントに求められる能力です。

経営者の戦略を具体的なビジネスモデルとして提案し青写真を提案する事、これが私の仕事です。

その為には何が必要で何が必要でないか、どの程度の予算でどの程度のことが可能なのか。

こういったご提案に応ずるのが私の役目だと考えています。