謎の音楽プロデューサーマキちゃん主催のアマ・プロ乱れてのライブ新年会の動画集です。
今年は私(園田)は、夜は空手道場での指導のため(今週から昇段審査)後ろ髪を引かれる思いで途中までの参加となりました。
したがって録画はほとんどリハーサルのもので、まだ人数も揃ってなく、後半の一番充実したであろう名演奏の数々を撮ることができませんでした。
しかし、前半のリハーサルの場面でも、プロの凄みある演奏の一端は垣間見ることができました。
特に、夕方からは元オーストリア大使長谷川さんの歌も聴く事でき、なごやかな中にも収穫の多い一日でした。
奥様の長谷川夫人はフルートをやっておられるのですがマキちゃんも毎年の上達ぶりを絶賛していましたが私も本当にそう思いました。
今年は歌手の方が多く、特にテノールの充実が特筆ものでした。
私はその全ては聴く事はできませんでしたが、帰る間際の一回目のリハーサルで、そのすばらしさは実感できました。
いつもの常連のピアニストの中川さんがお母上のご不幸で来られなかったということは後にになって知らされました。
どんな難曲でも初見でサラリと弾きこなせる腕を拝見できなかったのはまことに残念なことでした。
ご母堂様のご冥福をお祈りいたします。
今年は、私の友人として音楽に造詣の深い二組の夫婦をお誘いしました。
一組は修猷館の同窓生の園田真一夫妻です。
彼とは同姓なので時々間違われますが、親戚ではありません。
真面目な方の園田と言えば私とわかります。
彼は日本鋼管で活躍したあとヘッドハンティングでリップルウッドに引き抜かれ、あの宮崎のシーガイヤ買収で大活躍します。
彼は登山家でもあり今年はエベレスト登頂が一番の目標だということです。
奥さんは中学時代の同級生です。
もう一組は伊藤夫妻です。
伊藤君は私の修猷館のずっと後輩です。
彼はアメリカでMBAを取得し現在は外国語学校を経営する秀才です。
現在は私の空手道場(現空研)にも属しており、文武両道の九州男児です。
奥さんも修猷館卒業で某有名大学出身の才媛ですが、今回飛び入りでオケの伴奏をマキちゃんとやっており(私は酒ばかり飲んでいてその時は気がつかなかったのですが)後でビデオを見てびっくりです。
後で聞いたのですが、彼女も郷里は福岡で小学校の頃私のピアノの恩師の佐藤博子先生に習っており(福岡音楽院)、これまたビックリです。(高校とピアノ両方とも私の後輩ということになります)
私としては、今年は私が高く評価しているジャズピアニスト岩崎良子さんが来るのでいろいろ課題を考えていました。
以前、私の即興のテーマでアドリブをしてもらうという実験をやったのですが、今回はクラシックの曲をテーマにしてみようと思いました。
バッハなどのバロック音楽は比較的ジャズとの親和性が良く、昔からジャックルーシェなどが軽妙なアドリブで演奏していました。
またフリードリッヒ・グルダもクラシックのピアニストでありながら上手なジャズ演奏を行っていました。
でも、クラシックとジャスを融合させるといった事はあまり行ってはおらず、アンコールでジャズを即興したり、フラッとジャズライブの店で飛び入り演奏したりといったパターンでした。
昨年はモーツァルトイヤーということでモーツァルトが大流行でした。
また音大を舞台にした「のだめカンタービレ」がテレビで放映されたり、クラシックがずいぶんポピュラーになった感じがあります。
そのドラマでも、主人公の「のだめ」がモーツァルトを自分流にアレンジ(?)して弾いたり今までのクラシックとは違った世界が描かれておりある意味大変面白い現象が起きています。
よし、今年はモーツァルトだと思いました。
が、実際にやってみると本当に難しい。
モーツァルトはどんな簡単な曲でもそのままで殆ど完成されており、下手に手を入れてもろくな曲にはならないのです。
さて、どうしたものかと考えているとまさにピッタリの曲がありました。
「キラキラ星変奏曲」です。
誰もが知っている元々のこの曲のモチーフはモーツァルトが作曲したものではありません。
彼がこの簡単な曲でピアノを教えるためにハ長調の簡単なメロディーを12の変奏曲に変化させたものです。
この変奏曲の考えはテーマ(リフ)の和声進行を元に即興でアドリブ演奏していくジャズの技法と原理は同じです。
これを今回は岩崎良子さんにぶつけてみようと思ったのです。
当然私が低音部を受け持つことになりますから、まず12の変奏曲のコード展開を調べてみました。
元のテーマの部分はコードで言えばC(トニック)F(サブドミナント)G(ドミナント)の3コードだけでおしまいという単純さです。
しかし、さすがにモーツァルトですね。
調べてみるとモダンジャズの技法の殆どがこの簡単な変奏曲の中にちらばっているではありませんか。
ジャズ独特の不協和音のルーツは案外モーツァルトにあるのかもしれません。
しかし、計算されつくしたロマン派の曲はやはりジャズにはしにくいです。
後は、岩崎良子さんの天才的なヒラメキを期待して私は和声の展開だけを考えておく事にしました。
でも、今年はいろいろ忙しくて、実際の準備は前日に、元のクラシックの楽譜にコードだけ書き加えたといった、いいかげんさです。
当日は、思ったより人数が多く、弦のリハーサルをやっていましたので、実際には殆どやっみる時間がありませんでした。
テーマを一回やってアトリブを数コーラスやってリハはおしまいで、その後は本番に入る前に空手の時間となり、この試みは幻に終わりましたが、運良く伊藤君がリハの途中からビデオを回してくれたのでちょっとだけ練習の記録が残っています。(残念ながらテーマの部分は録画されておらず途中からテープが回っています)
今年はなんと言っても歌が圧巻でしたね。
プロの歌手達による「Time to say goodby」にはしびれました。
何とこの時のオケの伴奏はマキチャンと並んで伊藤君の奥さんも飛び入りでピアノを弾いています。
今年はピアノの中川さんが居なかったので、マキちゃんや岩崎良子さんがピアノ伴奏の主体となってやっていました。
とにかくここに来るプロは凄い人ばかりです。
アマチュアもプロ顔負けの人もいますし、本当に凄いです。
まずは指ならし。いつものイケメンアマグループ、コンマスとはこの間表参道で飲みました。
ハープの篠原さん今日は料理に専念。お久しぶりです。裏方の方々も皆音楽のプロばっかりです。
バリトンの大澤さん。歌うシェフ今年も大活躍。
モーツァルトの魔笛より左はパパゲーノのアリア、右はザラストロのアリアです。
モーツァルトのキラキラ星 ジャズ版の変奏曲。リハーサル。もちろん即興。
ABCの歌としても日本では知られているこの曲の原曲はフランスのシャンソンで、モーツァルトはパリで流行っているこの曲を12の変奏曲にアレンジしました。マリーアントアネットの時代ですね。英語では「トゥインクル・トゥインクル・リトルスター」として歌われています。
テーマはハ長調で、出足はドドソソララソソいう単調なものです。でも後半の変奏部分はだんだん複雑になっていき、速さを保って音の粒を揃えて弾くのは結構難しい曲です。今回はこれを13番目の変奏曲としてジャズ風に味付けしようというのが私の試みです。といっても特に準備したわけではなくコードを書いて岩崎良子さんに見せただけです。
コード展開はモーツァルトの7番目の変奏と10番目の変奏を参考にしました。
特にサビの部分は10番目の変奏のコード進行そのままです。
私は前日あれこれ考えてピアノを弾いてみましたが岩崎さんは、この場で初めてコードを見て本当の即興です。
ビデオは途中からですが、彼女の卓越したインプロビゼーションの能力がわかります。
当日もう少し時間があって2回目をやればかなり面白くなったのではないでしょうか。
参考のためモーツァルトの原曲の演奏(原佳之氏)をアップしておきます。
Time to say goodby すばらしい!! マキちゃんと伊藤夫人の連弾での伴奏。
でました。良子さんのチックコリア。 スペイン アランフェスのテーマが入っています。
元大使長谷川夫人の モーツァルト ディベルティメント。お上手になられました。バックの女性軍は自称ビジュアルプロカルテット。