ヒット カウンタ

受け

 
蹴りや突きを上手に受けたと思っても肝心の受けた腕にダメージを負ってしまうことがあります。
とくに初心者の場合は避けることに精一杯になっているので、動きを殺すような動作ができず、衝撃をもろにうけることが多いのです。

その上、腕自体もまだ鍛えられていませんからダメージは倍加することになります。
相手の攻撃を殺すというやり方は、体のさばきだけではなく、受けの動作でも必要です。

経験の長い人は、こういった動作は無意識のようにやっています。
しかし、初心者にとってはこれはなかなか難しい。

初心者はガチンとまっこうから受けてしまうことが多いのです。
約束組み手のような受けの動作は、腰の安定や基本的な体さばきの練習にはなりますが、フルコンルールでの受けとしては不十分です。

不十分というより、危険性すらあります。
威力のある蹴りを真っ向からうけると、受け自体で自滅することがあるのです。

これを避けるには、次の2点を課題として自分のものにする必要があります。

適度なやわらかさで受ける、やわらかさの度合いは相手の攻撃のスピード、重さ、軌跡などに応じて、臨機応変に変化させる。
ということが一点。

もう一つは、受け手の腕自体う鍛えるということが一点。
この二つです。

この二つは全くの別の要素なのですが、不思議なことに上手になるにつれ連動して向上していきます。
要するに、上手な人は腕自体が大変強靭になっている。しかも、動きに柔らかさがあって衝撃をもろに受けていない。
と、こうなるのです。

逆に初心者の場合は、動きが硬く、しかも真っ向から受けがちです。そのうえ肝心の腕も弱いので強烈なダメージになるのです。
この2点を克服しなければ、なかなか上級者と、様になる組み手を行うことができません。

一般的には、まず技(動き)を覚え、副次的に腕などを鍛えていくという順序で行うのですが、私はここで一つの提案をしてみたい。
まず、腕や脛といった初心者の誰もが打たれ弱い部分を集中的(数ヶ月単位)に鍛えてみるということです。

脛なんか昔から弁慶の泣き所というくらい痛い個所とされています。
たしかに鍛えてない場合はとても痛いところです。

しかしある程度鍛えるとここはそんなに痛いところではなくなってきます。
というか、痛いことは痛いのですが、ダメージをそれほど受けなくなると言えば正確なのかな。

腕も同じです。
鍛える方法は特に秘伝といったものはありません。とにかくゴンゴンと何かをぶつけていれば良いのです。

我慢できないほどいたくなれば休み、回復したらまた続けるといった程度でよいと思います。
2人であれば受けの体制で、蹴ってもらったり突いてもらうのも良い方法です。

重要なことは自分は今鍛えているんだという自覚と、なにがなんでも強くするという目的意識です。
こうして腕(や脛)が強くなってくると、受け自体の動作の許容範囲が広がってきます。

最悪下手な受けをした場合でも、何とか耐えることができる。
こうした自信というか安心感が心の余裕を生み、相手の動きを感じたり読み取ることができるようになります。

すると受けも相手の動きにそった無駄のないしかし力強いものになっていくと思います。

特に現空研の会員であれば、もうすぐ昇級審査があります。審査の前だからといって特別のことをする必要はありませんが、
この夏休みをひとつ、体を鍛えると言う視点でこういった腕や脛の強化月間にしてみてはいかがでしょうか。

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