私は38歳の男性です。先月から空手を習いだしました。それまで武道の経験は全くありません。
家で柔軟(真向法の本を見て形をまねしています)を毎日10分程度朝と夜にやるようにしていますが、
体が固いのか、筋が固いのか蹴りがなかなか上がりません。特に前蹴りは帯の辺りまでしか上がらず苦労しています。
このまま、柔軟と道場での稽古だけで自然と上がるようになるものでしょうか。それとも他の補助的練習が必要でしょうか。ご教示賜れれば幸いです。
高い蹴りを出せるためには次の二つの条件が必要です。
1.関節および関連する筋や筋肉の柔軟性。
2.足を引き上げるだけの筋力。
最初の条件はストレッチや柔軟体操等を根気良く行うことで克服できます。
2番目の条件は案外忘れられがちな点です。
いくら柔軟性があっても蹴り上げるだけの基礎筋力がないことには話しになりません。
これは通常の稽古でも少しずつ獲得できるものですが、短期間に得るには意図的な努力をしなければなりません。
足首に重いものをまいたり、あるいは鉄下駄をはいて蹴りの稽古をするのは良い方法の一つです。
前蹴りであれば蹴った体勢(足が前方に伸びた状態)でのまま数秒間保持できるように努力することも効果的です。
横蹴りも同じように蹴った状態で保持できるようにがんばります。
蹴りだけに限りませんが、自分に弱点があれば、その部分だけ取り出した強化方法を工夫しなければ大きな飛躍は望めません。
技術(スキル)の獲得のポイントは「最初はゆっくり」そして慣れるにしたがってスピードアップしていく、ということです。
そして、回数を多くすることです。
筋力の獲得のポイントは、高い負荷を与えることと回数は少なく、そして十分な休養です。
この二つは稽古の方法論がまったく異なることを覚えておいてください。