ある方(空手有段者)から次ぎのようなメールをいただきました。
仮にAさんとしておきます。
仕事先(お得意様)の担当者が、かなり陰湿な人間で、細かいミスで攻撃されつづけているというのです。
具体的な内容は差し控えますが、一読して伝わってくる陰湿な言葉の暴力の嵐です。
Aさんの相談は次ぎのようなものです。
これは、大変難しい問題です。
私(園田)にも似た経験はあります。
我々のように武道をたしなむ人間は、直接的な暴力に対する適応は訓練されていますので比較的スムースに事が運びます。
例えば、町のなかでいきなり酔っ払いが殴り掛かってくるなどという例です。
そして相手が弱い場合は、相手を傷付けることなくおとなしくさせる方法はいくつもあります。(相手が強い場合はこちらがやられるケースもありますから全力をつくして凄惨なことになる可能性もありますが)
かりに暴力を振るった相手が上司や得意先であろうと、肉体的な暴力に対しては、これを防いだり、反撃することは程度にもよりますが、社会的にも法律上も認められていることです。
しかし、言葉の暴力しかも当事者しかわからない人間関係の中で陰湿に発せられるものについては、これを立証することも難しく、やられた本人だけが傷ついていくといった形になります。
現在の学校や社会で横行しているいじめもその多くは言葉の暴力です。
私は次ぎのようにして解決しています。
言葉の暴力のきっかけはおそらくこちらのちょっとしたミスや言葉じりです。
そのミスがあなた以外の人が起こしても、また誰からも非難されるミスだったら、これはある程度ガマンするしかありません。
でも多くの場合は、ミスはきっかけにしかすぎず、別の理由でからんできているのです。
ですから、謝っても、無視しても攻撃は続きます。
謝ってすむ人の場合はそもそもこんな問題にはなりません。
攻撃することに快感を覚える根性のひねくれた人間は相手が弱い立場であれば、謝れば謝るほど感情が激昂してエスカレートしてきます。
原則は相手があげつらうミスに対しては、応分の謝罪は行ないます。(どの程度が応分かは立場が逆だったらどの程度の謝罪で自分は許せるかといったことを考えれば十分です。普通の人だったら日常のちょっとしたミスなぞ一言ごめんなんさいですんでしまいます)
そして、それ以上の理不尽な言動に対しては言葉による反撃が必要です。
これは、大変重要なことです。
われわれ、多少腕に覚えのあるものは、言葉の暴力に言葉で反撃せず、じっと我慢してしまう傾向があります。
こういう精神状態は大変危険です。
耐えて、耐えて、最後に爆発するということになる可能性があるからです。
相手がお得意様や上司の場合は反撃しにくいという事情もあるでしょう。また、日本にはこうした場合じっと耐えるのが男らしいという伝統的な考えもあります。
しかし、耐えた後、キレたのでは元も子も無くなってしまいます。
からむ人間はからむことが好きなのです。相手がそれに耐えていると余計にからんできます。
まず、言葉で反撃してください。
その言葉は過激なことを言う必要はまったくありません。
「貴方のおっしゃることにはもっともな点もあるけど納得できないところもあります。」
この程度で十分です。
からむことに快感を覚えるような輩に対しては、この程度で十分胸にぐっさりときているものです。
私は、この一言でいきなりなぐりかかられたことがあります。
でも、ここから先は私がそうだったようにAさんの土俵ですよね。