忘年会、新年会と酒を飲む機会が多くなってきて酒飲みにはうれしい季節がやってきました。
酒を飲めない人にはいやな季節かもしれませんが。
今回は空手家の酒の席の心得第2弾として、
メンバーに女性がいる場合を取り上げます。
男だけの酒席でのトラブルは、殆どが喧嘩です。
無礼講だからといって酔った勢いで先輩にからんでトラブルになったり、よそのグループとささいなことでもめたりするケースがほとんどです。
こういった場合の注意は前にも書きましたね。
要するに空手家は、手を出さないという第一原則を守るということです。
これ、実際のトラブルで徹底的に守るということはかなり骨ですよ。
というのは、ある程度腕に自信のある人はみな経験していると思いますが、からんでくる人はこっちが手を出さないと分かると余計執拗にからんでくることが多いからです。
一つ言葉をまちがえると、爆発してビールビンなんかの底を割って殴りかかってくる人もいます。
自分だけが被害者の場合はガマンして早々にたち去るような、できた人でも、自分の子供がなぐられたりしたら、カーとなってしまうのが人情です。
大抵の口げんかは、対象が自分である場合はかなり耐えることができます。
しかし、誹謗中傷が、自分ではなく、自分の子供や親、あるいは所属団体やグループ、国、人種といったように自分が大切に思っている回りの者に及ぶとガマンできなくなるのが普通です。
アメリカ映画でも、口げんかを注意深く聞いていると、汚い言葉でののしる相手は当の相手ではなくその母親や子供をからめる場合が少なくありません。
「○○○○ユアマザー」なんてすてゼリフ良く耳にするでしょう。
空手団体同士の飲み会なんかも、最初は友好的に始まっても、かならず相手批判をする奴があらわれます。
例えば、
「怒らないで聞いてね。批評するつもりはないけどサ、顔面ナシじゃ本当の強さはわからないよね。あっコレ俺個人の考えなんだけどね。」
なんて言い方で普通始まります。
そういうこと言われるとかならず応対する奴があらわれるのです。
「うん、そうかもシンナイ。でも一つだけ聞いてくれる。顔面がどーたらこーたら言う前の基本的能力っていうか、レベルの問題ってアルジャン。うんオタクがってわけじゃナインダケドー」
なんてやりとりが始まるともうこれはいけませんな。
まあ、喧嘩ってのは、殆どの場合何らかの形で自尊心を傷つけられたって片方が感じることからはじまるのです。
男ってのは100%メンツにこだわります。
これは弱い人でも強い人でも同じです。
また、洋の東西、人種、宗教、主義主張は関係ありません。
メンツの対象と様式が異なるだけです。
喧嘩を防ぐ唯一絶対の方法は、相手のメンツを守ってやるという一言に尽きます。
相手が殴りかかってきたとします。
飛んで火にいる夏の虫とばかりに裏拳一発、その後大向こうを狙って顔面へハイキック一発。
はいイッチョアガリ。
これは、最悪です。
相手の面子(お?字のとおりだ)はこなごなになっています。
こうなってしまうと彼に残された面子回復の手段は限りなく少なくなっています。
君は命の心配をしなくてはならなくなってしまいます。
まず、最低限相手の面子を立てる方法を考慮するというのが自分にとっても相手にとっても男のやさしさです。
よくあるパターンの一つに、青白い格闘技オタクに、
「一つ、質問していいですか、ボク中途半端にカラテなんかやっても、プロレスラーなんかのように体のでっかいやつにタックルされたら吹っ飛んじゃうと思うんですよね」
面倒なんでいいかげんにフンフンとあしらっていると、段々勢いがついてきて、
「ボクにいわせると空手なんてショセン・・・・・・」
だいたい、「なんて」という言葉がでてくると、カウントダウンがはじまりますね。
この場合は、こっちが頭にくるというパターンなんで、相手の面子を立ててあげようなんて気持ちがなかなか起きない。
そもそも、こいつの面子っていったいなんなのかってところから問題ですよね。
「なんて」という言葉を使うやつは、大体過去に何らかの傷を持っている場合が多いのです。
空手をやっているクラスメートにいじめられた過去があるとか、恋がたきが空手をやっている、といったケースです。
こういうケースは要点は一つです。
結論保留です。
相手が相談したいといった風情できいてくれば別ですが、「空手なんて」といった言いかたは明らかに挑発的です。
こういうのは、そもそも、話をする価値のない相手ですから、グチャグチャ議論しても無駄です。
「ボクははっきり結論を持っているけど話すと長くなるのでマタナ」といって話を打ちきります。
余裕があれば、
「でも、いい質問だ」
といって相手のメンツを立ててやれば大抵おさまります。
簡単でしょう。
ただ、理論は理解しても実戦でできるかどうかは普段のこころがけ次第ですけとね。
実は今日言いたいのは、酒の席に女の子がいる場合のこころがけです。
この場合も、キーワードは一つ。
「メンツ」です。
しかし、こんどは応用編です。
ここでいう女の子は、ホステスや芸者ではない同僚や仲間、友人といったしろうと女の子です。
例えば、会社やクラブの飲み会で、同等の立場としての女性が混じる場合です。
男を知るには、女と同席させるのが一番です。
女と同席させて酒を飲ませればその男の大体のレベルはわかります。
女がいればナンパすることしか考えていない馬鹿がいます。
最近は女にもそういうのが多いので、渡りに船といったケースもありますが、やはり数からいえばスケベな男のほうが多い。
最初からそういうのが目的の飲み会ならそれはそれでかまわないのですが、空手の団体で飲む場合は、目的をはきちがえてもらっては困る。
忘年会や親睦会というのは、ナンパ斡旋集会ではありません。
楽しかるべき酒の席がこういうつまらない場になるかどうかは、幹事の腕にもよりますが、
馬鹿が一人いるだけで雰囲気を壊すことはよくありますし、酒が入るにしたがって崩れるというケースもあります。
今回はこういった馬鹿を分析するのが目的ではありません。
隣りにこういった馬鹿がいる場合どう対応するかという問題です。
たとえば、君(男)のとなりにスケベ男が座ったとします。
そいつが反対側の隣の女の子にちょっかいを出しているとします。
つまらない下ねたや馬鹿話が聞こえてきます。
女の子もしかたなくあいそ笑いを浮かべたりしています。
「そんなクダラネー話よせよ」
そいつが親友や後輩なら言えますが、会社の上司や道場の先輩だったらどうしますか。
言えませんよね。
どうするか、結論は後で。
あなた自身がその上司だったら。
みんな、
「そんなクダラネー話よせよ」
って実はあなたに言いたいんですよ。
それを知ってくださいね。
逆に、もし、あなたの部下がそんな馬鹿を言っていたら、
「そんなクダラネー話よせよ」
ってすぐ言いましょう。
うけを狙うやつが多いのも最近の集団の特徴です。
くだらないシモネタ話を本人は良かれと思ってしているのかもしれません。
年長者ははっきり「くだらネェー」って言ってください。
もちろん、
「お前、仕事はできるんだけどな」
という必殺の言葉をわすれてはいけません。
男はメンツが全てですから。
とくに女がいればよけいです。
すると殆どの場合、聡明な彼はすぐきがつきます。
多分こういう注意を受けたことがないだけなのです。最近の若者は。
え、仕事もできないって、
仕事はできません。女の尻はおっかける。そんな奴は首にしろ。
で、最初の問題。
この馬鹿が上司だったら。
あなたはどうすべきか。
あなたがもし女性であれば、
いわゆるセクシャルハラスメントの問題にもなりますね。
さあ、どうすれば良いのか。
もちろん私は明確な結論を持っていますが、
誤解されないように話すには、大変長くなってしまいます。
これは宿題にしておきましょう。
機会があれば酒の席でお話するかもしれません。
しかし、一般的に親睦目的の酒席で女性が混じった場合の心得は、
1.皆で楽しむことを心がける。
2.ナンパはしない。
3.相手のメンツをつぶさない。
これが基本です。
そして重要なことですが、メンツを立てるための言葉にウソがあってはいけません。
仕事ができもしないのに「仕事はできるのにな」では言われたほうもしらけます。
人はみな長所を持っています。
その長所を指摘することでメンツをたてるのです。
私は、高校生のとき、ナイフを持って喧嘩の準備をしていたとき、
「おまえらしくないな」と友人のハタノに言われたときはグサっときました。
未だにそのことを覚えているくらいですから。
「ナイフなんか使うなよ馬鹿」と言われて止めればメンツがたたないけれど、、
「おまえらしくない」は、十分メンツがたちますよね。
話はもどるけど、男だけの団体で女が芸者とかプロの場合はどうかって、
そりゃどんちゃんサワギでしょ。
相手はそれが仕事ですから。
でも許される限度というものがあって、そこでも男のレベルがわかるね。
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