理念
現代空手道研究会(現空研)は、伝統空手を基本にしながら、武道の原点に立ちかえり、格闘技の本来の目的、効用、技術、そして社会との関わりまでも視野に入れて新しい空手道の研究、創造、そして互いに、けいこ、鍛練を行うための会です。
従来の良き伝統は守りながら、悪しき慣習を排除し、より良い武道を皆で創りあげるための会です。
我々は次の2点を前提として研究しています。
そしてこの願望を達成するための一つの手段として空手道を位置づけます。
我々の空手道は強くなるための武道の追求ですが、その追求を行うためには、強さとは何か、なぜ強さを追求するのか、何のための強さかということも明確にしなければいけないと考えています。
空手道は現在数多くの流派が林立し、一般の人々が始めようと思ってもどの流派、どの道場を選べば良いのか選択にまよってしまいます。
まず現空研の特徴を理解するために現在の空手道の概略を解説します。
現在日本の空手道は大きく分けて2つの流れが存在します。
一つは戦前からの伝統空手。この空手は基本的に型を重視し、組み手は寸止めといわれる、直接相手に打撃を与えない方式をとります。
危険性が少ないと言われますが、現実には顔面強打による事故などは結構起こります。
また、実際には当てないので実戦を想定した場合の技の有効性などが実証されません。
しかし、徒手空拳で武器を持った相手に立ち向かうという空手発祥の精神や技の原形など現在のあらゆる空手の基本を本質的に継承している点を軽く見ることはできません。
もう一つは実際に打撃を相手に加えるフルコンタクト系と呼ばれる空手の流派です。
これは文字どおり相手に打撃を与える競技方法をとりますから技の有効性や勝負の白黒は誰の目にもわかりやすく、より実戦的な空手と言えます。空手の威力を実証し、検証にたえる多くのデータを提供した功績は大変大きなものがあります。
しかし、現実には危険性回避のため顔面への攻撃を禁止したり、プロテクターを着けたりするため、そのルール内での技の有効性の追求に走り勝ちになり、武道の原点、つまり禁じ手無しの実戦における有効な技の習得という観点からは問題点も指摘されています。
実戦的な技の追求と習得の過程(試合)における危険性の回避の問題はある意味では武道修練における最も困難なそして永遠の問題かもしれません。
我々はこれらの2つの流れのそれぞれ良い所は取り入れ、問題点を矯正し、より良い空手道を創造していくつもりです。
具体的には次のような基本的な考えで研究します。