質問1
自分は神戸市に住んでいる○○というものですが、高校進学を機会として空手道をはじめようと思っていますが親には「小さいころからしていないから周りとレベルが違いすぎる」と言われています。
最初から最後までレベルが違いっぱなしなのでしょうか?
教えていただければと思いここにメールを書いた次第です。
お忙しいでしょうがよろしくお願いします。
質問2
いつも大変興味深く拝見させていただいてます。
自分は大学生で、歳は20歳、フルコンタクト系の空手を1年程やっていて、今は5級です。
突然で申し訳ないのですが、今、空手を続けていく上で悩んでいることがあります。
自分は小さいころはスポーツが嫌いで、高校のとき伝統空手の部活にはいるまでじぶんからスポーツにとりくんだことがありませんでした。
その高校の部活も途中から入部したため、今の空手をふくめても、スポーツ歴が3年もありません。
この、スポーツ歴が少ないことに最近コンプレックスをもつようになり、充分な運動経験もないのに空手のような激しいスポーツをやっても強くなれるのだろうかと不安です。
自分は空手をやるからにはある程度試合にも出て勝てるようになりたいと思っており、ジムに通ってウェイトトレーニングをしたり帯別の試合にでたりもしているのですが、小学校、中学、高校をつうじてみっちりスポーツをしてきたという人の話を聞くと、それが格闘技でなくてもその人に勝てないようなきがします。
やはり小さいころからスポーツにとりくんできたような人に、大学にはいってからやっと本格的な運動を始めた自分はまけてしまうのでしょうか。
結論から言いましょう。
空手は幾つから始めても強くなれます。
では、子供の頃からやっている人に勝てるほど強くなれるでしょうか。
これも「イエス」です。
強くなれます。
少なくとも強くなれるチャンスは多いにあります。
実際に長年多くの空手家を見てきた私の感想ですが、たしかに子供のころからやっている人は、動きがスムーズで全体的に無駄な動きが少なくきれいです。
しかし、強さと美しさは必ずしも一致しません。
美しくて強い人はもちろんいますが、そうでない人も多いのです。
外国語や楽器であれば、この美しさというものの重要性は高いというか、まさにそれが本質と言っても良い程のものですが空手はそうではありません。
空手では強さが最優先されるからです。
外国語とか楽器の演奏は、子供のころからやっている人が圧倒的に有利になるのですが空手の場合はここまでの差はでません。
これには幾つかの理由が考えられますが、一つには格闘というものが、人間にとっては生存のための本能にそった行動であるので一般的に遊びの中にも基本的な動きを無意識で稽古しており、ある意味では皆初心者の段階はクリアしているという考えがあります。
したがっていきなり英会話やピアノのお稽古をするのとは条件がかなり違うのです。
もう一つの理由が空手のモチベーションの差です。
子供のころからやっている人は確かに上手ですが、空手をやるといった動機が自発的でないことが多いのです。
無理やり親にやらされたとか、その時は自主的であっても途中で飽きてしまい何となく惰性でやっている人も少なくありません。
しかしある程度の年齢から始めた人は通常明確な動機を持っていますし、強くなりたいという気持ちも持続しているからこそ稽古を続けていると考えられます。
このモチベーションの差は日々の稽古への身の入れ方として表れてきます。
空手は稽古における集中力とそれをいかに長期にわたって持続させられるかで全てが決します。
もちろん、子供のころから空手をやっていて、現在もモチベーションを維持し稽古に打ち込んでいる凄い人もいます。
彼らは相当な強敵になるでしょう。
しかし、後から始めても逆転するチャンスが空手には他の稽古事より多いというのが私の長年の経験からくる実感です。