はじめまして。いつもホームページを興味深く拝見させてもらっております。 徳島県在住の ○○○ と申します。38歳です。 空手、武道歴は、 伝統空手 2段(学生時代)、 フルコン空手 一級、 グローブ空手を半年程と、現在は、日本拳法をやっております。
ひとつの流派をじっくりやりたいのですが、(せめて黒帯をとるまで) 転勤がかなり頻繁にあるため、中途半端な経験となっています。
道場の練習は、仕事の関係もあり、週1〜2回ぐらいしかいけないので、いけない日は、柔軟、簡単な 筋トレ(懸垂がいいということですのでとりいれております。)等をしております。 ウェイトトレーニングは、学生の時以来やっておりませんが。再度取り組もうかと考えています。
体格的には、身長は、170センチ弱、体重は、70キロ弱で、やや小柄な部類にはいります。
質問なのですが、武道を継続しては、いるのですが、 いまひとつ自分の強さに自信がもてません。
ルールのある道場の組手等では、明らかに以前より強くなっているのはわかるのですが、いざという時のルールのない理不尽な暴力に対応できるのか不安を感じています。
ケンカは、中学生のとき以来したことはありません。 現在の仕事(接客業)の関係上、多少のトラブルに巻き込まれることがあります。 複数の輩から胸倉をつかまれたり、小突かれたり、少年からいきなり後ろから蹴りをいれられたこともあります(さすがにそのときは、取り押さえましたが)。 職場である以上、逃げることもできず、勿論手も出せないので、対応に苦労しています。 見た目も上記のように、普通なので、なめてかかられる部分もあるのかもしれません。
職場の同僚やアルバイトからは、「○○さんは、さすがに空手をやってたから、そういったときの対応も毅然としてすごい。」と言われたりしますが、内心は、結構ひやひやしています。
同僚達は、実際に私が力が多少強かったり、シャドーやミット蹴りをみせたりしたこともあるので、私に一目おいているのですが不良客は、勿論そういうことも知らず関係ないので、遠慮会釈なく絡んでくることもあります。
ミット蹴り等を不良客の前で、みせれば話が早いのでしょうが(笑) 実際は、そうはいきませんし。
私は、経験は、ありませんが、そういった不良客に殴られて大怪我した従業員も何人かおり、自分自身もそういった場合うまく対応できるか不安を常に感じています。 例え相手が素手であっても、いきなり殴りかかってきたり、とびかかってきたり、つかみ合いになったり、といった道場の組手にはない。状況に対応できるのだろうかと?
勿論自信をつけるには、「練習をしっかりするしかない。」といった理屈は、頭ではわかるのですが・・・
疑問を感じつつも、空手や拳法自体は、好きなので今後とも継続していくつもりです。
長々と失礼いたしました。 現空研空手には、非常に興味がありまが。居住地の兼ね合いから通うことができませんので。今後も引き続きHPを拝見させていただきます。
接客業でこうした悩みや不安を持たれている方は多いです。
私も学生時代にバーやキャバレーといったところでアルバイトをしていたことがありますが、客がトラブルを起こす現場は数え切れないくらい見てきました。
客同士のトラブルから客対店のトラブルまで、些細な口喧嘩から刃物を振り回す物騒など本当にいろいろありました。
私が現在の現空研方式の空手を考えた大きな理由がこうした現実の暴力から本当に身を守れる空手を目指すというのがあります。
試合(ルールある競技)に勝つための空手ではなく、実戦で有効な武道としての空手を追及するという考えもこうした体験や考えが背景にありました。
伝統空手だけをやってきた方の多くは、自分の身につけた技が実戦でどれくらい役にたつのだろうかという疑問を多かれ少なかれ持っています。私もそうでした。
一撃必殺といわれる突きはどの程度のものなのか、瓦を10枚割れる正拳を実際の生身に受けたらどの程度のダメージを受けるのだろうか。
こうした素朴な疑問の解消として実際に当ててみようという考えがおきたのです。
しかし現実問題としては安全性との兼ね合いで、顔面をどうするのかとか、防具をどうするのかといった稽古体系の課題が生じてきます。
こうした実戦への対処と安全性の確保という相反した課題で試行錯誤を繰り返して存在しているのが現空研なのです。
実際に思いっきり相手を殴る、蹴る、あるいは殴られる、蹴られるといった実体験は実戦に関して大きな自信に繋がります。
それも多くの回数を体験することが自信をより強固なものにします。
次に大切な事は、初対面の人との対戦経験を多く積むことです。
初対面の人との対戦は相手が誰であっても緊張感があります。
質問者の方はフルコンタクトや日本拳法といった実際に当てる流派の空手も体験されていますので、こうした実際に当てる、当てられるといった経験は豊富だと思いますが、始めての相手との組手の数はどうでしょうか。
路上の暴力に遭遇した時、なんと言っても一番不安な要素は相手の素性が分からないことです。
格闘の素人なのかプロなのか、あるいはヤクザなのかそうでないのか。
そこまで大げさでなく、例え相手が普通のサラリーマンであっても全く見ず知らずの人間と対するときは不安や緊張感があるものです。
素人であれば逆に何をしてくるのか分からないといった不安もあります。
特に道場で礼儀正しい人たちと行儀の良い稽古ばかりしていると、武道的な意味での実力はたいしたことなくても喧嘩慣れした素人に思わぬ不覚をとるケースもありえます。
しかし、実際に町に出て素人相手に喧嘩の稽古をするわけにもいきません。
そこで一番良い方法は、道場に入門したばかりの初心者を相手に組手をしてみることです。
もちろんこちらは相手のレベルに合わせて手加減するのは当然のことです。
双方防具をつけて相手に「喧嘩のつもりで思いっきり殴ってくれ」と頼みます。
上手な人との組手はもちろん勉強になるのですが、全くの素人相手の組手も結構実戦的観点からは勉強になるのです。
喧嘩に強くなるには喧嘩の場数を踏むことが一番とよく言われますが、これは現実には許されないことです。
初対面の人との組手の数をこなすことが、喧嘩の場数を踏むということの疑似体験に一番近いと思います。
現空研はオープンな考えで運営していますから、全くの初心者(多数)から他流派、他武道経験者、また年齢も様々な方が稽古をしています。
また、組手を中心にし実戦の力を効率良くまた安全に身につけることを目的としていますので、こうした要望には十分お応えできるのですが、どんな流派、道場であっても、目的意識をしっかり持って自分で一つ一つ課題を潰していくという心構えで稽古をすれば同じような効果は得られると思います。
また、技の稽古とは別立てで筋力トレーニングを行うということは、実戦力を高める上では大変有効な手段です。
実績に裏打ちされた体力の自信はいざという時大きな精神的なバックボーンになります。
最後に接客業であれば、暴力的なトラブルの現場ではお客さんも含めた総合的な意味での双方の安全性の確保ということが一番大切なことになります。
そのためにはお互いが実力行使にならないようにするのが一番です。
しかし、そうした貴方の立場を知っていながら、あるいは逆にそれを利用してして無理難題を吹っかけてくる不良客には、毅然とした態度は必要です。
私はこうした場合の声の大きさというかトーンはとても大事なことのように思えます。
現代人、特に善良な人は大きな声を出すことが大変苦手です。
丁重ではあるが、理不尽は許さないという態度を明確にする声。
時と場合によっては一喝するという行為が効果的なケースもあります。
もちろん、これによって事態を悪化させることもあるので行使に関しては慎重さは必要ですが、それにしても最近は正しい人の一喝というシーンを殆ど見なくなったような気がします。
一喝するというのも普段稽古していないとなかなか出来るものではありません。
道場で大きな声で気合を入れる稽古をしていれば必要な時必要な大きさの声が自然とだせるようになります。
いろいろ断片的にお話いたしましたが、質問者の方のような敢然とした不安感は実力のあるなしに関わらず、(むしろ実力のある)武道実践者が持っている共通の課題であるということを最後に申し沿えておきます。