ヒット カウンタ

パンチ力をつけるには

 


大勢の方からメールをいただいております。その中から技術的な問い合わせに焦点を絞って回答したいと思います。


はじめまして 現在、25歳の会社員ですが、今、ゲームセンターのパンチングマシーンにはまっています。
思ったほどのパンチ力がなく困っています。パンチ力をあげるにはどういう訓練をすればいいのでしょうか

ゲームセンターのパンチングマシーンは必ずしも実際のパンチ力を反映するものではありません。
パンチ力は生まれつきの要素がかなりあり、何の稽古もしてないのに強いパンチ力を持った人もいます。

しかし、どんなに素質のある人でも、素質のほとんど無い人が10年間目的を持って稽古続けた人の拳の破壊力には足元にも及びません。

稽古によって大きく伸びるのはフックよりストレートです。
まずひじが外に逃げないように注意します。最初は力が入らないような感じでも腕全体が直線上をまっすぐ動くようにゆっくり稽古します。

ある程度形が自分のものになったら、サンドバックのようなものを実際叩きます。
拳は巻きわら等で鍛えます。

パワー不足を感じたら、まず腕立て伏せ(拳たて伏せ)を行います。
20回以上簡単にできる人は足を高い所においてやります。

逆立ちしてやれる人はやっても良いですが、よほど力がないと、特に拳立ては手首を折ってしまうことがあります。
上腕と前腕の筋力をつけます。

突きの稽古をするとき軽めのダンベルを持って行うのも効果的です。
一番良いのはスーパーセーフ等の防具をつけてお互い拳だけで自由組み手を数多く行うことです。

パンチはリラックスして腕の重量を自分で感じるような突きが一番効きます。

私は非常に腹筋が弱いので、腹筋運動を毎日やってます。「一年前から」回数は60回から多い時で、1000回やってます。
主にクランチ、足上げ腹筋です。背筋運動も、1日おきにやってます。
以前と比べ強くなったのですが、それでも普通以下だと思います。例えば仰向けで膝90度曲げて上体起こす完全に「足は固定せず」これが出来ません。どうしても反動つけないと出来ません。どうすれば出来るのかより良い方法アドバイスオ宜しくお願い致します。

一言で言えば回数が多すぎます。
もっと高負荷、低回数で行ってください。そして十分な休養です。

もし毎日行うなら、実際には武道のために鍛える部署は腹筋だけではありませんから、例えば腕を鍛えるのを月曜と木曜とすると足(スクワット等)を火曜と金曜、腹筋、背筋その他を水曜と土曜というふうにして日曜は完全休養にします。

それぞれの鍛錬は短時間で構いません。一日10分でも十分効果があります。
空手においては腹筋は鎧としての機能もありますから、息吹の要領で負荷なしで、固め、それを一定時間(5秒から10秒)持続させるといった鍛錬も、アイソメトリック的な効果が期待できます。


この間教えていただいた構えでは、金的のガードはどのようにするべきなのでしょうか?
ぜひアドバイスをお願いいたします。

現空研の構え自体がある程度金的のガードになっています。
ことさら意識する必要はありません。

動きの中で自然に防ぎます。下段落しという正統的な防御方法にこだわる必要はありません。
金的は確かに急所の一つではありますが、世間に流布されているような絶対的な急所ではありません。

例えば「けんか」のとき不覚にも金的を蹴られて出血をするほどのダメージを受けても、動けなくなることはありません。
10分や20分は十分動けます。

女性向けの護身術で、金的さえ蹴ったら、男は悶絶するといったような説明を聞くことがありますが、危険な行為です。
悪意を持った暴漢を金的を蹴ったくらいで悶絶させるには名人級の技が必要で、それでも100%極めるなんて不可能です。

これと同じように急所と言われる「すね」いわゆる「弁慶の泣き所」ですね。
これも、リアルファイトにおいては急所ではありません。下駄で蹴って骨が露出するほどダメージを与えても興奮した暴漢は痛がりません。

興奮した(アドレナリンがでまくった)状態の人間は、身体の基本的な機能に損傷を与えない限り、痛みだけで制御することは不可能です。

私は若いころ暴漢を関節技で極めたことがありますが、戦闘心旺盛な暴漢はまいったと言わず、とうとう骨を折ってしまったことがあります。
しかしそれでもその暴漢は立ち向かってきたのです。

リアルファイトはあっけないことが多いのですがたまにこのような壮絶なケースもあります。


少林寺拳法と比較すると空手の基本の動きというのは実戦とやや違った動きであるように感じます。
直接実戦に使えないような動き(例えば「受け」など)をなぜかくも丁寧に繰り返し練習するのか疑問でもあります。

単調な動作の繰り返しといった稽古は空手の伝統でもあります。
突きや受けの中には一見不合理なものもたくさんあります。

例えば中段の外受けなんて技は実戦で使うことはほとんどありません。
こけん受けや回し受けなんて技も型の中以外で使うことはまず無いでしょう。

私にもこういった稽古が最終的にどのくらいその人の技というか技術に貢献するかはわかりません。
私は伝統といったものはそれが明らかに有害であるか無意味であるといったことが明示的に実証されないかぎり安易に否定はしないといった立場をとります。

したがって、空手の伝統的な技は及び稽古方法は長い歴史の中での先人たちの知恵の集積といった観点で尊重しています。
しかし、より良い稽古方法だと実証できるデータがある場合や合理的な説明が付く場合はどんどん実験的に取り入れます。

どうも、いつも楽しく、ここのホームページを、みています。現代空手道研究会はとても楽しそうな、雰囲気ですね。
ここでひとつ質問ですが、自分と実力が近いものと組手をやるときどうしてもなかなかパンチが決まらない。
相手に効くようなぱんちがはいりません。
けりも同様です。もちろん僕自身が未熟ということもありますが。
こういう部分はどのように取り組んで組手をやればいいんでしょうか?
僕としてはやはり強くなる組手をやりたいので、ぜひ良いご回答をおねがいします。

パンチ力を付ける方法は何回も述べていますが、パンチ力がついても実際にそれが組み手で生かせるかというとここにもう一つハードルが存在します。

サンドバック相手のときは拳がめり込む程のパンチが出せても動く相手の場合はその3分の1も力が出せない方が普通です。
相手が動いているということは自分も動いているということです。

相手のことはまず置いておくとして、動きながらパンチが出せるかということをまず自己チェックします。

まず歩きながら正拳を出してみます。
ぜんぜん力がはいらないでしょう。

このパンチ力が実際の貴方の組み手におけるパンチ力なのです。
ボクサーがランニングしながらストレートをだす練習をすることがありますね。

あれは大変効果的なトレーニングです。
最初はあるきながらで十分です。あるいはエアロバイクをこぎながらでも良いでしょう。

最後はランニングしながら出せるようにします。
最終的にはやはり組み手を数多く行うことにつきます。


ホームページを拝見しました。
現在35才で、○○○で学んでいる初心者です。
「門外不出の秘伝その一」で拳の鍛え方について述べておられましたが、確かに拳は痛めやすいと思います。
勝者の拳がよりダメージを受けるというのも、お説の通りです。
それで、拳ではなく掌での有効な攻撃が出来ないものかと考えているのですが、何か御意見をお持ちでしょうか?
実際問題として仕事の殆どでパソコンを使用するので、手の怪我は避けたいというのが本音です。


パソコンに限らずほとんどの仕事は手を使って行いますので、手の怪我は避けたいというのが大半の社会人にとっての本音です。

空手の稽古ではある程度の怪我は覚悟するしかありません。
問題は不可逆的な障害になるかどうかです。

たとえは指が「くの字」に曲がって永久に伸びないとかペンが持てなくなるといった事態になったら困るということです。
私は趣味でピアノを弾いています。そして30年以上空手の稽古を行っていますが、そのせいで弾けなくなったという事態には陥っておりません。

人間の体はすごい適応能力があって大抵の怪我は修復します。あまり神経質になる必要はないと思います。
しかし、鍛えれば鍛えるほど怪我をする確率が下がるのですから、鍛えるに越したことはありません。

また、掌での攻撃ですがもちろんこれは有効な部位です。しかし拳は大変強力な武器ですからこれにとって変わった使い方という観点は無理があります。

いつも,インターネットで現空研のホームページを見るのを楽しみにしております。
さて,一つ教えていただきたいのですが,空手に有効なサーキットトレーニング方法
(自分の体重を利用して)にどのようなものがありますでしょうか?
現在私は仕事の休憩時間を利用して,拳立て,スクワット,腹筋それぞれ100回〜200回
(連続ではなく,あくまで合計で)やっています。でも一日のこま切れの時間にちょっとずつやってこの回数であり,はっきりいって効果のほどは自分でもよく分かりません。


拳立て,スクワット,腹筋というのは、いままで運動らしい運動をしていなかった人には劇的な効果がありますが、ある程度筋力の付いた人は少し工夫をする必要があります。

筋力は、瞬発力と持久力に分けて考えることができます。
空手においては瞬発力の向上をまず目指すべきです。瞬発力はいわゆる筋力そのものできまります。

筋力の絶対値が大きくなれば、組み手等においても余裕をもって行えますので結果的に持久力にも良い影響がでてきます。
筋力そのものを向上させるには、高い負荷をあたえねばなりません。

高い負荷とは、本人にとっての高い負荷です。
もちろん回数のことではありません。バーベルで言えば重さのことです。

例えば効かせる腕立てを連続で1000回やれる人は居ませんが、スクワットならできる人が居ます。
こうした高回数のトレーニングは筋力そのもののアップにはあまり寄与しません。

基本は高負荷、低回数です。
拳立てなら足を高所においてやります。スクワットは重いものを持ってやります。

10回以上連続でやれるようなら、負荷が足りません。
あと、モチベーションを高めるためには、ダンベルなどでその重量を増やしていくことで効果が数値であらわれるような仕組みも効果的です。

ときどきは低負荷、高回数で筋肉をパンプさせることもいろんな意味で効果があると思います。
一箇所の筋肉を毎日鍛えてはいけません。休む時間がないと筋力はアップしません。

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