Nito(兄)君は、恵まれた体格と基本的な身体能力の高さから、急激に実力を上げきた若者である。
現在弟も現空研に所属し、タイプは全く異なるもののそれぞれ稽古熱心で努力を重ねている。
兄は、空手協会との合同稽古や元学生チャンピオンの市川さんとも対戦し、今年は他流派である散打の大会に兄弟揃って出場して勝利を収めるなど大活躍をしている。
しかし、初めての10人組手は想像を絶する体験だったようで、この感想文でもその厳しさが伝わってくる。
特に我孫子道場は仲の良い友人も多く、彼らの友情のこもった(倒すというのが彼らの友情表現のようだ)歓迎ぶりは凄まじかった。
その仲間たちはこうした話を酒の肴にして飲む連中だ。
Nito(兄)は一級建築士です。
平成16年6月 日本空手協会(麗澤大)との 平成17年夏季合宿 左:Nito初段 右:Siba2段
組手試合 右:Nitoの中段前蹴りが炸裂
平成17年2月21日
Nito(兄) 初段
千葉県在住
審査後、風邪が悪化してしまい、先生始め、審査で相手になって頂いた皆様、応援して頂いた皆様へのお礼のご挨拶もままならず失礼しておりました。
誠に僭越ではありますが、十人組手を終えてのワタクシなりの感想を書かせて頂きます。
まず、予想はしておりましたがそれ以上の身体的及び、精神的消耗を体験しました。
六人組手の倍なんてものではありませんでした。
はっきり記憶があるのは一人目迄で、あとは断片的な記憶があったりなかったりという状態です。
そのような中で後半、対戦相手も技術の高い方々が続き、せめて前に出る姿勢だけは維持しようと努めたのですが、圧力に負け後ろに下がってしまう場面が増えて行きました。
十人目の飯塚師範との対戦では残り30秒の声で『ここで根性出さなければ悔いが残る』と前に出ようと試みたのですが、空手の技とは言い難い、切れた子供の様になってしまいました。
十人組手を通して肉体的極限に近い状態に徐々に移行して行く過程、その時の精神の状態を正に体験しました。
この体験はこの先の人生において、『礎』と言うよりむしろ『岩盤まで到達した強力な支持杭』のような経験と言えると思います。
最後になりましたが、この様な機会を与えて下さいました、園田先生他、対戦相手になって頂いた皆様、応援して頂いた皆様、道場で共に稽古している皆様に深く御礼申し上げます。
それではまた道場で。