ヒット カウンタ

門外不出の秘伝 その1

これは秘伝(?)に属する部分であるので本来は、公開したくはなかったのですが、
どうも、公開しろという声なき圧力を感じて、ここに公開することにいたしました。

ここに述べてあることは、シリアスに捉えないでくださいね。
それから、初心者の方は、基本をまず覚えて下さい。

これは、何となく空手を続けているけど、本気で拳を鍛えたことがない、あるいは社会人で道場にはときどきしか行けない、という人が対象です。
でも、初心者や熟練者にも何らかのヒントにはなると思います。

私は、どこへでも持って行くことができるマキワラを持っています。
最近はあまり使っていませんが、モチベーションの維持のためなるべく持ち歩くようにしています。

現在使っているは三代目の比較的新しいやつですが、それでも昭和53年に作ったものですから、それなりの風格はあります。
この携帯マキワラ、またの名をラップトップマキワラといいます。

長さ30センチくらいで厚めの板を用意します。
これに、適当なタオルを巻き、それを麻縄できつく巻きます。

これで、できあがりですが、最適なものを作るには、ある種の職人的(?)技術も必要です。
縄は麻がベストです。理由は後で述べます。

このように、見かけは、板切れに縄を巻いただけという、なんの変哲もないものですが、それはそれはすばらしい威力をもっています。

まず、拳を鍛えるとはどういうことでしょうか。
これは、一撃必殺という言葉で象徴されるような、メチャメチャに強い突きの圧力に耐えられる拳を作るということです。

突きそのもののパワーは日頃の基本稽古や補助的な筋力トレーニングで付けることができますが、実際に衝撃をうける最先端の拳は、意図的に鍛えない限り、強くすることはできません。

それを鍛える道具のうち最も簡単で、効果的なものがマキワラです。
訓練というのは長期勝負ですから、モチベーションの持続と実行することが簡単であるということが必要です。

マキワラが良いとわかっていても、マキワラなんてどこにでもあるというしろものじゃありません。
道場にだってあったりなかったりです。

あったとしてもあんまり人気がないので、傷んでいたり、汚れていたりして、なかなか適当なものがありません。
自宅に庭があるという幸運な人でも、結構な音がしますから、近所のことを考えたら年から年中叩き続けるのも気が引けます。

訓練はそれがどんなに理想的なものであっても長く続けられないのなら何にもなりません。
簡単にできる。他人に迷惑をかけない。どこでもできる。金がかからない。

こういった事が必要です。
それで、この携帯マキワラの登場となるのです。

使い方は大きくわけて2通りあります。
基本的には片手で持って、片手の拳をゴンゴンと打ち付けます。

いわゆるコブシの部分だけではありません。
裏拳や手刀、掌底など、ありとあらゆる個所を暇なときに打ち付けます。

もう一つは、拳の方を固定して、マキワラの方を金槌の要領で拳に叩き付けます。
この場合は、板のむき出しの部分を使っても構いません。

カーン、カーンと良い音がします。
もちろん金槌を使っても構わないのですが、相手が鉄だとちょっと痛いです。

一年位、暇を見つけては叩いていると、金槌で叩いても痛くない拳になります。
最初は凄い拳ダコになりますが、だんだん落ち着いてきて5年くらいであまり目立たなくなります。

握りコブシを作ってみて先端が丸くならなければ本物の拳ダコではありません。
素手によるリアルファイトで一番痛めるのは拳です。

ある程度鍛えていても、パンチのある人ほど痛めてしまいます。
勝負には勝ってもづたづたになるのが普通です。

ボクサーでも、空手の有段者でも、骨のある相手と5分間くらい本気のリアルファイトをやると、拳は血だらけ、手のひらの厚さは倍くらいに腫れ上がります。
勝ってもです。むしろ勝ったときの方が手は痛めます。最初に倒されれば拳は傷みませんからね。

拳はどんなに鍛えても鍛えすぎるということはありません。
瓦を割ったり、コンクリードブロックを素手で割れる人でもリアルファイトでは拳はヅタヅタになることを知っておいて下さい。

顔面なしで、ソフトな防具を付けて遠慮無用のフルコン組手をやった人なら、鍛えてない手がどうなるかはご存知ですよね。
拳の次ぎに痛めるのが手首です。

これも防具付の力いっぱいの素手の殴り合いをしなければ分からないことですが、寸止めだけでやってきた人は、自分のパワーに自分の手首が負けてしまいます。

これはサンドバッグを叩くのが一番良いのですが、サンドバックもどこにもあるわけじゃありません。
従って、どこでもやれるという観点からすると拳たてがベストです。腕立て100回を簡単にやれる人は、拳たてに切り替えます。

拳たてだと腕たての半分くらいの回数しかできませんから、程よい訓練になるのです。
50回くらいで一時的に拳頭はまっ平らになります。もちろんすぐにもどりますが、2ヵ月くらいつづけると異様にでかくなってきます。

最初の一年くらいはとても目立つ拳になってしまいます。
これが、支障をきたすような仕事(接客やサービスなど)の人はちょっと困るかも知れません。

でも、5年、10年のうちには、骨は丸くなって皮膚も何となく厚くなりますが、それなりに落ち着いてきますのでそんなに心配することはありません。
体質によっては、とても切れやすい皮膚の人がいます。

私も面の皮といっしょでとても皮膚が薄い部類に入ります。
こういう人は、余計、工夫しなければなりません。

短期で拳ダコを作るのは、裏ワザもあります。
誰にでも薦められる方法ではありませんが、次のようにします。

最初にマキワラをひたすら突きます。
当然皮がむけます。

皮がむけたら、少し痛いのをガマンして、拳ダコになる範囲くらい全部自分で剥いてしまいます。
マキワラを叩きつづけて表面は麻痺していますから大して痛くはありません。

その後は良く洗って消毒します。
次の日はいやになるくらい痛いですが、1日だけの辛抱です。

皮が再生して治るまではそっとしておきます。
これが結構日日がかかります。

1週間では無理かもしれません。
次に紙やすりを準備します。工作に使うくらいの中目で良いです。

皮が再生したら、拳の部分を紙やすりでこすります。
1日に一回ちょっとだけで良いです。

うっすらと血がにじんだら止めます。血が出るまでやっては行けません。
痛いときも止めます。

回復したら、痛め、休み、また回復したら傷つける。
これを繰り返します。

もちろん、マキワラ突きと拳たてを混ぜます。
3ヵ月で貴方の拳はサザエのようになります。

これくらいになると自分の拳が日常生活でも便利な道具になります。
金槌や木槌の替りをかなりの部分でできるようになります。

でも、拳ダコができても空手が上手になることとは別ですからね。

あ、それから麻縄がベストの理由ですが。
ゴミがでにくいからです。

他の縄だとゴミがボロボロ出て、部屋を汚してしまいます。
で、カミさん他家族を敵に回すことになりますから。

麻縄がベストなのです。ちょっと固くて痛いけど。

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