指を骨折、脱臼しながらも平然と10人組手を完遂したコマちゃんの話は既に伝説化しつつありますが、この過酷な状況の中で戦い続けることができたのには実は大きな秘密があったようです。
その神秘に満ちた謎が先日メールで明かされましたので、ここだけの話としてお伝えしたいと思います。
あくまでここだけの話。
コマちゃんのプロフィール
勤務先 大手商社の管理職
運動暦 柔道初段 陸上100m東京都5位(高校) アメリカンフットボール ボクシング(プロ)
平成17年2月20日
コマちゃん 初段
千葉県在住
私が10人組手の1人目の対戦で、右手小指を負傷(骨折と脱臼)しながらも、何とか、最後の10人まで完遂できたのには訳があります。
独自の練習法を実践していたこと、いざという時の心構えができていたことが、役立ったのだと思います。
(ちょっと格好つけて、こう書きましたが、実際はたいしたことありません。
「何だ、そんなことかよ!」と言わずに、最後までお読み頂けたら幸いです。)
独自の練習法は審査1ヶ月前に思いつきました。
もう、技術面での向上は難しいだろうから、スタミナ強化のために走り込むしかないと考えました。
名付けて、「30分お疲れダッシュ」です。実際に30分もダッシュし続けることは不可能ですが、本当に疲れて倒れるようなスピードで最初から飛ばしまくるのです。
10人組手は1人2分 x 10人=20分、これに10分をプラスし、30分としました。特に、最初の10分は全速力で走ります。
その10分が過ぎてから、10人組手が始まったことを想定して、実際の攻防をシミュレーションし、シャドーも入れながら、さらに20分走り続けるのです。
時計を見て、スタートから16分であれば、まだ3人目が終わったばかりの段階という具合です。
3人で既にヘトヘトになっている状態を作り出すのです。
この練習の甲斐があって、今回の審査でのガス欠は、ほんの少しではありますが、いつもよりはマシであったように思います。(他人から見ればわからないレベルですけど)
次に、精神面の強化を考えました。10人組手は、「備えあっても憂いあり」です。
いざという時の心構え、名付けて「ザ・ガマン」を徹底的に身体に刻み込みました。
これは、10人組手の20分間、ずっと一方的に殴られ蹴られ続けるような最悪の状況になっても、耐えられる体力と精神力を養っておくというものです。
審査の際には、スタミナ切れや負傷により体が動かなくなることが十分想定されます。
相手の攻撃を避ける力がなくなった場合でも、打撃の瞬間に体を僅かでも引くようにして衝撃を軽減させる等、この「ザ・ガマン」で凌ぎながら、隙を見て反撃するという作戦です。
「これは、作戦と言えるレベルではなく、誰でもそうなるだろう。」とご指摘を受けそうですが、戦う前から、「20分間一方的に攻められ続けても倒れない準備はできている。」という心構えがあると、精神的に余裕が生まれるものです。(少なくとも私はそうでした。)
実際の審査では、1人目の対戦の時、相手の前蹴りを不用意に手で(しかも開いた状態で)受けにいってしまい、小指を負傷しました。
でも、これは、基本ができていない証拠です。他の人なら怪我をしないはずです。
負傷してから、みるみる腫れあがっていく小指をみて、骨折しているかもしれないと思いましたが不思議と焦りや不安は、全くありませんでした。
例の「ザ・ガマン」で行けばいいと思えたからです。
でも、まさか、こんなに早く最後の手段「ザ・ガマン」を使うとは思っていませんでしたが。
10人組手を完遂できたといっても、内容は惨たんたるもので、恥ずかしい限りです。
ただ、人間というものは、「いざという時の心構えが事前にできていると強い」ということを、身をもって体験できたのは収穫でした。
これからは、「ザ・ガマン」なしで戦えるよう、基本からやり直していきたいと考えています。
【おまけ】審査後の反省会(飲み会)に参加できず、とても悔しかったことは言うまでもありません。さすがに飲みに行けなくなることまでは、想定していませんでした。
押忍