ヒット カウンタ

Your technique does not have "kime".

 


サンドバッグに対して突きや蹴りの練習を始めていますが、いくら練習してもバッグが動くだけで、拳や足がバッグの中にめり込んでいるような感じがしません。
日系米国人の先生からは

Your technique does not have "kime".
You are pushing, not penetrating the target.

と言われます。
その先生からは「突こう、蹴ろうと思って力むな。」と言われるのですが、完全に力を抜いてしまうと突き蹴りがバッグに跳ね返されてしまい、やはりめり込んでいきません。
何か良い練習方法は無いでしょうか。御教示いただければ幸いです。

メールアドレスから察するに米国の研究所勤務の日本人の方からのお便りです。
空手の本家日本人が米国で空手を稽古し、日系とはいえ米国人の師範に英語で指導を受ける。

空手がすでに国際的な武道あるいはスポーツとして世界に認知されている証でもあります。
しかし、英語で"kime"なんて言われるとなんとも言えない感慨がありますね。

不謹慎ながら本当に分かって言っているのかな?という感じを瞬間持ってしまいました。
しかし "penetrate は"貫"けという意味ですよね。

これは私がいつも道場で突きの心構えとして言っている言葉と同じです。
この米国人の師範の言っていることはほとんど私の言っていることと変わりません。

恐るべし米国。

では、本題に入ります。
「完全に力を抜いてしまうと突き蹴りがバッグに跳ね返されてしまう」というのはその通りです。

この「力を抜く」という言葉は、空手だけでなくあらゆる武道、スポーツにおいて技術を習得する場合のキーワードです。
「力を抜く」と言う言葉は本人が感じ取っている感覚であって物理的にすべての力をゼロにするという意味ではありません。

物理的にはパンチ力はエネルギー換算できますから、出力としてとらえることができます。
結果的にその人の最大出力を出すときの感覚は熟練者にとっては「力を抜く」という表現がぴったりするのです。

非常に逆説的な言葉になりますが、「力を出すためには力を抜け」ということなのです。
基本的な力(筋力)は必要です。

筋力をアップさせるには「力を入れる」訓練が必要です。
その筋力を空手の技として生かすには「力を抜く」といった感覚が必要になるのです。

貴方がどの程度の基礎体力の持ち主なのかが不明ですが、サンドバッグに拳をめり込ませるには、基礎的なパワーも必要です。
体重が70Kg以下なら最低でも拳立てが連続で20回はできなければ「サンドバッグに拳をめり込ませる」感覚を得るには難しいでしょう。

拳立てのメリットは筋力アップと同時に手首を固定するコツもつかめることです。
次にはダンベルを持って正拳の上段突きあるいはアゴ打ちを稽古します。ダンベルは1Kg程度の軽いんもので構いません。

ダンベルを持った場合は正式にねじる突きでなくても構いません。
これをなるべく力を抜いてしかもスピードは十分に行います。

結果的には必要な力を使いますが無駄な力を省くコツをつかむことができます。
楽にパンチが出せるようになったなと思った頃もう一度サンドバッグを叩いてみてください。

拳がめりこむようになったでしょう。
パンチ力がついたら、手首の怪我をしないような注意がより必要になってきます。

アメリカ人に負けないようにがんばってください。

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