先日、変な体験をした。
我孫子道場での稽古の帰りである。
この日は雨が降っていた。
いつものように車を走らせていると後からハイビームでパッシングする２つ目の大型バイクがピタっと張り付いた。
最初は白バイかと思ったがそうではないようである。
私は流れにそったスピードで２車線道路の左側を走っているので追い抜きたければいつでも抜ける状態である。
でも一向に抜こうとはせずに後ろに張り付いたままだ。
現空研にはオートバイで通っている者も少なくないので誰か私に用事があって追っかけてきたのかなとも思った。
しかし、どうも様子が変である。
何となく善意でないようなものを感じる。
ただ場所が国道で脇に止められるような状況ではないので何とも解せない感情を持ったまましばらくそのままで走った。
丁度大きな交差点の前で私が右折のウインカーを出してスピードを落としたところ、そのバイクは私の隣に寄ってきた。
何か大声で叫んでいる。でも雨の音で内容が聞き取れない。
もしかしたら、私の車の何らかの異常を教えてくれているという善意の可能性もある。
何を言っているのか聞き取ろうとして相手を凝視したところ、彼は私の車の前に出た。
彼が左に寄せたので、停車するつもりなのかと思って私も左に寄せたところ彼は脱兎のごとく逃げ出した。
逃げたのではないかもしれないがいきなり細い道に入ってしまったので結局真相はわからない。
私は、家に帰って車の周りを点検した。
ウインカーやブレーキランプが切れていてそれを教えようとしていたかもしれないからだ。
しかし、そういった異常は無かった。
道場の皆にこの話をしたところ。
「スピードが遅いとあおったつもりだったんでは？」
「きっと先生に喧嘩を売ってきたんですよ。顔を見て方針を変更したんでしょう」
と大体似たような結論が出た。
しかしクラさんから面白いというか逆の立場の体験話を聞いた。
クラさんも大型バイクに乗っている。
その彼が高速道路をツーリング中に、後ろの扉が開いたまま走行している大型トラックを見つけた。
その異常を運転手に知らせようとパッシングを繰り返したが中々気付いてくれない。
というか無視された。
やっとの思いで並走して運転手に告げると運転手は何を勘違いしたかえらい剣幕で怒鳴ってくる。
やっと停車したけど相手は既にやるまんまんの喧嘩モードであった。
クラさんが「後ろの扉が開いてるよ」と指さして、やっと事態を飲み込んだ運転手氏は平身低頭して平謝りだったとのこと。
こういうこともあるということはその時も意識していたので、話を聞こうと思ったのだけど、私の場合は相手が逃げてしまった。
逃げたということは多分相手は善意でなかったと高い確率で類推できる。
いや、善意で知らせたけど顔を見たら面倒そうなやつだったのでそのまま走りさったという可能性もゼロではない。
誰かが言った。
「もし、運転している人がか弱そうな人だったり、ちょっとつっぱった若者だったらそのバイク君はどうしたんでしょうね」
もし、そのバイク君が善意でなく、相手も弱そうだったら、逃げてくれないケースもあるだろう。
そうしたケースに巻き込まれて被害を受ける人たちは案外少なくないのではないかと今回あらためて思った。
こういう時どう対処すればよいのかを答えるのは結構難しい。
国道の脇でのこうしたトラブルでは誰も停車したり止めに入ってはくれないだろう。
110番できればよいけれどトラブルの最中ではなかなかそれも難しいと思う。
私の場合でも、もし彼がバイクを停車し、悪意の実力行使にでた場合、法律にのっとって社会通念に反しない範囲で事を収める正しい行動はどうだったんろう、と考えてしまった。
でも、普段おとなしい人でも車（やバイク）に乗ると一変する人ってわりと多いね。
皆も気をつけよう。
トップページへ