第三回現空研空手道大会 少年部入賞者


入賞者


小学1〜2年生の部

 

優勝 辻 陸王
準優勝 伊藤 光希
第3位 大屋 大和

 

左伊藤君と右大屋君は今回が始めての大会出場の一年生です。

二人とも、格闘センスがあり、すばらしい素質の持ち主です。
二人に共通の特長は本当に覇気があり、どんな強い相手でも勇気をもって挑んでいく姿勢です。
大人でも自分より強い相手に立ち向かうのはたとえそれがルールで安全が守られた稽古や試合でも何がしかの恐怖感はあるものです。
しかし、大人はそれを恥や外聞また精神力で乗り切るのですが、子供はそういった小細工はできません。
怖がりの子は(大半の一般の子は臆病です)すぐ泣いたり、逃げ出そうとします。
しかし、この二人は本当に勇気があるのです。とてもかなわない上級生が相手でも自分のベストを尽くします。
今日もすばらしい組手を見せてくれました。
試合時間のフルタイムを二人は全力で攻撃しあいました。
細かな技術的な点はまだまだ全然できていませんが、この時期は大切なのは困難に「勇気」をもって立ち向かう心構えなのです。
延長戦もフルタイムで攻防が繰り広げられ、判定は本当に難しいものとなりました。
副審は双方赤、白に分かれます。
本当に僅差の判定で伊藤君の勝ちとなりましたが、大屋君のがんばりはいささかも見劣りのするものではありませんでした。

左 伊藤君の体重の乗った前蹴                      左 大屋君の力強い回蹴

 

 

延長の末旗判定は割れます。 左 副審川辺2段は赤     右 副審 滑川初段は白

 

左 辻君 右 伊藤君の中段正拳逆突              左 辻君の下段回蹴  右 伊藤君

 

決勝戦は辻君と伊藤君の間で行われました。二人とも兄弟会員で弟同士です。

伊藤君の覇気は先ほど紹介しましたが、辻君は更なる敢闘精神の持ち主です。

今回は徹底した下段に蹴りを集めるなど相手によって戦い方を変える技術も持っています。伊藤君は飛び込んでの上段、中段突きが得意ですから、その技を封じ込めるべく試合開始から徹底的な下段攻撃に集中し、引き分け延長戦も終始下段に集中して圧力で圧倒しました。

辻君は昨年は準優勝でしたが今年は余裕を持って優勝しました。

 

 

小学3〜4年生の部

 

優勝 田邉 航

準優勝 伊藤 優志
第3位 酒井 鉄平
第3位 武 奏磨

 

 

 

左 伊藤君 右 酒井君の良く上がる上段回蹴        左 伊藤君の鋭い踏み込みからの右上段正拳逆突

 

この二人は戦い方のタイプは全く異なりますが、両者とも技術的には大人顔負けのレベルの高い技の持ち主です。

酒井君は、時々一般部の稽古にも参加する稽古熱心な子で二人兄弟の弟です。

良く上がる左右の回蹴と大きな相手でも決してひるまない精神力の持ち主です。

お兄ちゃんもとても強く兄弟対決では少し前の稽古で始めて一勝しました。

伊藤君も兄弟会員で二人ともとても強く、弟の光希君は1〜2年生の部で準優勝しています。

その特長は天性の距離感と飛び込むタイミングの切れ味の良さです。積極的な攻撃も得意ですが、上位者との対戦では絶妙なカウンターも時折見せます。

酒井君がバリバリのフルコンタイプとすれば伊藤君は伝統系的な一撃必殺タイプです。

 

左 武君 右 田邉君の上段正拳逆突

 

左 武君の中段回蹴 右 田邉君                左 武君のガードが下がったところに 右 田邉君が上段回蹴

 

昨年の優勝者と準優勝者との対戦です。

武君は高い左右の回蹴で常に攻勢をかけるタイプです。

一方田邉君は万能タイプですがどちらかと言えばカウンター狙いが得意です。

今回は田邉君は武君の動きをよく見て、タイミンングの良い返し技として上段の回蹴で技有り二つをとり合わせ一本勝ちを収めました。

武君も優勝を狙える実力の持ち主ですがその武君から一本勝ちを収めた田邉君は本当に強くなったと思います。

 

左 田邉君 右 伊藤君の上段順突                左伊藤君 右 田邉君のスキンタッチの上段回蹴が決まる

 

優勝決定権です。

突き得意の伊藤君と蹴り得意の田邉君との対戦になりました。

この二人はタイプはまるで違いますが、稽古の時もかみ合った良い組手になります。

伊藤君の鋭い上段突きが決まりますが、顔面を強打したためポイントにはなりませんでした。

一方田邉君は上段回蹴、後回蹴と蹴り技のコンビネージョンで攻めます。

延長戦で田邉君きれいな上段回蹴が本当に見事なスキンタッチの寸止で決まりここで勝負が決しました。

 

小学5年生の部


優勝 柿崎 友太朗

準優勝 三河 侑暉
第3位 千葉 翔哉

第3位 酒井 泰蔵

 

左 柿崎君 右 千葉君の飛び込んでの正拳上段逆突    右 柿崎君のパワーのある中段回蹴

 

柿崎君は去年4年生の部で優勝している実力の持ち主です。

一方千葉君は、今年最も進歩した一人です。

特にこの一ヶ月で何かに目覚めたかのような急激な上達を見せています。

ついこの間も勝ち抜き線で何人もゴボウ抜きする活躍を見せました。

今回はたまたま初戦が昨年の優勝者というくじ運の悪さもありましたが体力で上回る相手にもチャンスをじっくり待って臆せず飛び込むという度胸の良さを見せていました。まだまだ強くなれます。

 

左 三河君 右 酒井君のスピードのある上段前蹴      左 三河君の威力のある中段前蹴 右 酒井君

 

三河君は昨年の準優勝者でバランスのとれた総合力があります。

一方酒井君は酒井兄弟のお兄ちゃんの方で、怪我のため組手はしばらくブランクがありました。

しかし、もともと格闘センスは抜群で、突、蹴ともにスピード、パワーがあります。

今回はまだ組手の感覚がまだ完全に戻っておらず特に距離感の判断に迷いが見えました。

そこを上手に突いてカウンターの前蹴で技有りをとった三河君が勝ちを収めました。

 

左 柿崎君 右 三河君の上段回蹴が顔面をかすめる      左 三河君 柿崎君の得意技 右中段回蹴

 

個性の全く違う二人の優勝決定戦となりました。

パワーがありそれを生かして重い中段回蹴で攻めまくる柿崎君と多彩な技で相手の弱点を攻める三河君。

双方とも自分の持ち味を生かした接戦となり、本戦では決着がつかず延長戦に入ります。

ここでも一歩も引かない両者はポイント差がなく、判定勝負となり、僅差判定で柿崎君の優勝となりました。

 

 

 

 

小学6年生の部

優勝 木 文也
準優勝 田代 瑠奈
第3位 尾崎 航希

 

左 尾崎君の中段回蹴 右 瑠奈ちゃんの良く上がる上段回蹴  左 瑠奈ちゃん 右 尾崎君のしなりのある中段回蹴

 

延長戦の末割れる判定

 

審判協議

 

6年生の部は例年激闘になりますが、今年もその例に漏れませんでした。

去年のチャンピオンの大山君(現在は中一)は出場できませんでしたが、大山君も含めて今年も六年生は全員現空研の親子会員です。

今年も全試合緊迫感のあふれた内容となりまた。

初戦から波乱が起こります。

田代瑠奈ちゃんはお父さんが今年10人組手にチャレンジします。

一方尾崎君はお父さんが現空研の黒帯です。

試合は、体が柔らかく上段蹴の上手な瑠奈ちゃんと男の子ならではのパワーで押す尾崎君の好勝負となりました。

前半、得意の蹴り技で瑠奈ちゃんが押し気味に試合を進めていましたがポイントを取る程の差はでず、試合は延長戦に突入します。

延長戦は一転して尾崎君が攻勢をかけて行きますがこれまたポイントを取るには至りません。

試合は旗判定となりました。

判定も割れます。

主審の私も引き分け判定ということで副審との協議に入りました。

一致した意見は前半の瑠奈ちゃんの攻勢と延長戦の尾崎君の攻勢をどう判断するかの一点につきました。

本当に微妙な判定となりましたが前半の瑠奈ちゃんの攻勢の技の的確性の貯金が後半の尾崎君の攻勢を取った勢いでもやや上回ったという総合判断となり、瑠奈ちゃんの勝ちとなりました。

 

左 瑠奈ちゃんのスムーズな上段回蹴              右 木君の至近距離からの上段後回蹴

 

6年生の決勝戦は、昨年の準優秀者の瑠奈ちゃんと3位の木君の対戦となりました。

二人とも変化のある上段回蹴が得意です。

瑠奈ちゃんは柔らかい体を利して少ないモーションで自在に足をあやつります。

一方木君はリズムに乗ると連続技が出ます。

互いに反射神経が良いのですが、こうした対戦は、いかに自分のリズムを作るかが勝負の分かれ目になります。

一旦自分のリズムに乗って連続攻撃がスムーズに出始めるとそれを短い時間で切り崩すのはなかなか難しいものです。

今回は最初に自分のリズムを作ったのが木君でした。

身長のある瑠奈ちゃんに自分の距離を作らせないようち常に前に圧力ををかけ続けた木君が最後の勝利をつかみました。

しかし勝負は紙一重で瑠奈ちゃんもその実力の高さを証明しました。

 

 

小学生の部無差別級

優勝 木 文也
準優勝 田邉 航

 

左 田辺君 右 辻君の勇気ある連打              左 田辺君のきれいな上段回蹴 右 辻君

 

小学生無差別級は各階級の優勝者によるトーナメントとして行われます。

学年を問わずに行われますので下級生にとっては勝ち抜くのは至難の業です。

しかし、自分より遥かに強い相手と対峙しても、決して後ろを見せない勇気をもつことが武道では一番大切なことです。

弱い相手にいばり、強い相手にはしっぽを巻いて逃げるのは男として最も恥ずべき行為です。

さすがに各学年の優勝者は皆勇者揃いでした。

格上の相手に完全と立ち向かう低学年の姿は一般部の観戦した会員も感銘を受けたようです。

 

左 柿崎君の渾身の中段回蹴 右 木君          左 柿崎君 右 木君の見事な上段回蹴

 

柿崎君は5年生ですが、体力があり体は6年生の木君より大きいかもしれません。

持ち前のパワーで得意の中段回蹴で攻めますが、さすがに茶帯の6年生にはなかなかクリーンに決めることができません。

逆に大技の後の虚を突かれるパターンが多く見られました。

木君は常に冷静に相手の攻撃に対処し一瞬の隙には思い切りの良い大技を仕掛けていきます。

最後は上段の後蹴で技有りを取り、上段の回蹴も決めて、一本勝ちとなりました。

特に最後の上段回蹴は絵にかいたようにきれいに決まりました。

柿崎君も善戦しましたが、完敗です。

しかし、無差別級で帯も学年も上の上級生を相手にここまでやれるのですから大したものです。

 

 左 田邉君 右 木君の横蹴が見事に決まる       左 木君 右 田邉君の思い切り踏み込んでの上段突き        

 

左 木君の必殺の上段逆回蹴がきれいに決まる。

 

無差別の決勝戦は小学校3〜4年生の部優勝の田邉君と6年生の部優勝の木君の対戦となりました。

この二人は学年は違いますが、タイプは似ています。

ともに足が良く上がり格闘センスが良く、スピードがあります。

木君もパワーで押すタイプではないのですが、田邉君にとっての学年の差は体力面ではかなりの違いとなります。

しかし、田邉君は少しも臆するところなく正攻法で果敢に攻めていきます。

一方木君も体力で押しつぶすようなことはせず、技の応酬でそれに応えます。

開始早々木君の横蹴りが絶妙のタイミングで田邉君をとらえ、田邉君は転倒し技有りを取られます。

しかし、直ぐに攻勢をしかけ相手に肉薄して上段突きを狙い、主審は止めを命じ副審の判定を確認しますが両副審とも認めません。

主審もそれに従い続行します。

そしてその瞬間はやってきます。

とぎすまされた木君の上段逆回蹴が見事に決まり、ここで合わせ一本となり木君の無差別級優勝が決まりました。

 

 

中学生の部無差別級

 

優勝 梅澤 翼
準優勝 辻 海優

左 梅沢君 右 辻の渾身の上段前蹴              左 辻君 右 梅沢君の絶妙のタイミングの上段正拳順突

 

中学生の部は大山君の欠場で梅沢初段と辻君の対戦となりました。

少年部でも中学生になるとパワーが違います。

二人とも全力を出し切った良い組手となりました。

辻君は小学生1〜2年生の部で優勝した辻 陸王君の兄で、良く弟の面度を見るやさしいお兄ちゃんです。

梅沢君も中学3年生で勉強も忙しいのに時間を見つけて、稽古をここまで続けてきました。

決して器用なタイプではないのですが、着実に実力を上げ、とうとう黒帯になりました。

今日は持ち前のパワーをいかんなく発揮して優勝の栄冠を手にしました。

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