休会中あるいは長期ブランクのある方々へ復会のお薦めです。
仕事の関係などで長期休会あるいは退会した方にとりあえず基本部への復会をお薦めします。
空手はしばらく休んでいると技そのものは体が覚えていても基本的な体力や打撃に対する耐久力が落ちてきます。
それから実際にはそれ程落ちてなくとも現役の若い人たちの動きに対抗できるか精神的な不安が起きてきます。
私も30才代後半に腰をひどく痛めて入院した事があります。
退院した後しばらく運動ができない状態が続きました。
久しぶりに道場に行く時嬉しさの反面ある種の不安もありました。
その当時は拳サポやすね当ても無く、本当のガチで組手をやっていましたので、自分の体の耐久力に一抹の不安があったのです。
私はその不安を打ち消すためにあえて20人組手に挑戦しました。
スタミナ、耐久力はがた落ちなのは最初から分かっていることです。
20人なんかできっこないのですが、何人耐えられるか試してみたかったのです。
悪くとも4,5人はいけるだろう。いやもしかしたら10人以上20人でも可能しゃないか。
いやいや最初の1人で息が上がるかも。
何しろ数ヶ月前は一人で直立歩行さえできない状態だったのです。
実際の組手で体力がどれだけ持つのかが全く予想できない。
でも体調はすこぶる良く気分は上々でした。
その時のメンバーは現在の筆頭師範である中鉢師範(現5段)や木村師範(現4段)も混じっていました。
私は8人目か9人目で強豪の中鉢師範と対戦しました。
そして痛恨の上段回し蹴りを顔面にモロに受けたのです。
意識が飛びました。
それから後の組手は全く記憶にありません。
結果として12人抜き、ドクターストップのような形で終了させられたようです。
しかし私は満足でした。
2年近く組手から遠ざかり、2週間も慈恵医科大学付属病院に入院した直後にこれだけやれたのですから。
それから体力も急激に回復し、長年の腰痛とも無縁となり現在の現空研の礎を作るきっかけとなったのです。
道場で若者相手に20人、30人くらいを連続相手をしても平気なくらいスタミナも回復しました。
そんな私でも、病院を退院した後、最初に道場に行くときの不安感は今も覚えています。
私はこんな荒療法で自分を鼓舞しました。
しかしもし現空研の基本部のようなシステムがあったなら、もっと早い復帰が可能だったのでは、と思います。
当時の道場は、病み上がりや運動不足の状態とバリバリ道場で実戦的稽古をする状態とのギャップがありすぎて、いったん長期に休むとなかなか復帰するのが肉体的jにも精神的にも難しかったのです。
基本部のようなシステムがあれば、まず体調や自分の耐久力、技術を確認しながら徐々にペースを上げて行くことができます。
自分のペースでやればこういうシステムが無くても可能なのですが、皆が組手しているとき自分だけ不参加を申告するのもなんとなく億劫です。
基本部というシステムがあれば、それは公式なシステムなので何の心理的な負担もありません。
逆に体調がよければ逆申告で組手参加もできるのです。
有段者であれば初心者を指導したり相談にのるなど上級者としての役割も果たせます。
私としてはこういう指導的な立場にたてるベテランの復帰は大変助かります。
自分のためにも、そして現空研のためにもぜひ復帰をしてください。
更新 2009/03/09